東京奇譚集

東京奇譚集

東京奇譚集

一気に読めてしまいました。
ちょっとした賭けだったのです、これを買うのは。
ノルウェイの森』を10代のころ読んで以来、時々出版されてる村上春樹氏の長編は幾つか読みましたが、『ダンス・ダンス・ダンス』以降いまひとつ好きになれる作品がなかったので。それでも立ち読みもせず買ってしまったのは、なんというかひとつの出会い、だったと思うのです。
そして、アタリ。
今回のこの短編集にはなんともいえない懐かしさみたいなものを感じました。久しぶりに、ムラカミ小説を読んだなぁ、という。
2編め“ハナレイ・ベイ”を映像化するなら、主役のサチというカッコいい女性は是非桃井かおりさんに演じてもらいたいです。その息子、鮫にやられて亡くなってしまうサーファー役は…真木蔵人。もっと若くないと駄目?じゃあ、妻夫木クン。うん、それがいい。この女性、おバカなサーファー達に女を口説く方法を簡潔に3項目伝授するのですがソレがもうすばらしい。本当に、その方法でダメならその場合はナニをおいても諦めたほうがいいと私は思います、男性諸君。
4編め“日々移動する腎臓のかたちをした石”にも、男にとって意味のある女性は人生で3人だけだ!というものすごい一節があるのですけれどこれにもつくづく感心。じゃあ女性にとっては何人なのでしょうね?やっぱり3人か。だとすれば、私の人生にとっての3人とは、誰と誰と誰なんだろう。